トップ技術者のひとことアドバイス
(後編:予防策と生活の工夫)
前編ではヒートショックの原因やリスクについて解説しました。今回は、寒い季節にヒートショックを予防するための具体的な方法を紹介します。家庭内での取り組みや外出先での注意点を押さえ、冬の健康リスクを減らしましょう。
ヒートショック予防の基本:温度差を減らす
ヒートショックを防ぐためには、室内や体に急激な温度差を与えない工夫が必要です。以下は具体的な対策です。
1. 脱衣所と浴室の温度を上げる
LIXILのヒートショック対策コラムによれば、浴室暖房や脱衣所にヒーターを設置することで、室内の温度差を減らせるとされています(LIXIL公式サイト:ヒートショック対策)。特に高齢者がいる家庭では、事前に暖房をつけて適温にしておくことが重要です。
2. トイレの寒さ対策
トイレには暖房便座や小型のヒーターを設置することで、冷たい空気に触れるリスクを減らせます。窓がある場合は、断熱シートを貼るなどして寒さを防ぎましょう。
3. お湯の温度を適切に調整する
冬場の浴槽のお湯の温度は、40℃以下に設定するのが理想的です。熱すぎるお湯は血圧を急激に変動させるため、避けるべきです。
外出時の注意点
外出先のトイレや浴室では、家庭ほど設備が整っていない場合が多いです。以下の点に気をつけましょう。
• 温かい服装を心がける
外出先でも温度差を少なくするために、脱ぎ着しやすい重ね着をすると便利です。
• 急な動きを避ける
寒いトイレに入る際には、急に動かず、ゆっくり体を慣らしながら利用することでリスクを減らせます。
日常生活の工夫で健康を守る
1. こまめな運動
適度な運動をすることで血行を良くし、温度変化への耐性を高められます。
2. 栄養バランスの整った食事
冬場は特に、体を温める食材(ショウガ、根菜類など)を取り入れた食事で体温調整能力をサポートしましょう。
3. 家族との連携
一人での入浴や外出を避け、家族に見守ってもらうことで万が一の際にも安心です。
寒い季節を安全に過ごすために
ヒートショックは防げるリスクです。家の中の温度差を減らす設備投資や日常生活の工夫で、大切な家族を守りましょう。